株式会社生薬工房|健康の基礎知識

血管性認知症・
認知機能の低下
の基礎知識

物忘れだけではない、脳の働きの変化。
血圧と脳の健康について、一緒に学んでみませんか。

血管性認知症とは、何でしょうか

私たちの脳は、血液から酸素や栄養を受け取って働いています。脳の血管が詰まったり傷んだりすると、考える力や日常生活に影響が出ることがあります。

脳の血管の病気が関係して、認知機能が低下し、暮らしに支障が出る状態を「血管性認知症」と呼びます。

ただし、物忘れがあるからといって、すぐに認知症と決まるわけではありません。

「認知機能」とは、どんな力でしょうか

認知機能とは、物事を覚える、注意を向ける、考える、計画を立てる、判断するなど、毎日の暮らしに必要な脳の働きです。

例えば、買い物の段取りを考えたり、薬を飲む時間を覚えたり、人との会話を理解したりすることも、認知機能に支えられています。

認知機能の低下は、物忘れだけで現れるとは限りません。

高血圧と脳の血管は、どう関係するのでしょうか

高い血圧が長く続くと、脳の細い血管に負担がかかり、血管が傷みやすくなります。

脳梗塞や脳出血などの脳卒中だけでなく、小さな血管の障害が少しずつ積み重なることもあります。

高血圧は、脳卒中や認知機能低下に関係する、改善可能な危険因子の一つです。ただし、高血圧の方が必ず認知症になるわけではありません。

どんな変化が現れるのでしょうか

以前より段取りを立てにくい、考えるのに時間がかかる、集中が続かない、同時に二つのことを進めにくい、といった変化がみられることがあります。

歩く速度が遅くなる、気分が落ち込む、意欲が低下するなどの変化が伴う場合もあります。

症状の出方は人によって異なり、物忘れが目立たないこともあります。

脳卒中のあとに起こるのでしょうか

脳卒中のあとに認知機能が低下することがあります。一方、はっきりした脳卒中の発作がなくても、脳の小さな血管の障害などが関係する場合があります。

症状が急に現れる方もいれば、ゆっくり進む方もいます。段階的に悪くなる場合もありますが、必ずそうなるわけではありません。

「脳卒中になっていないから関係ない」とは言い切れないのです。

アルツハイマー型認知症とは違うのでしょうか

アルツハイマー型認知症は、脳内の変化によって記憶などの働きが低下していく病気です。血管性認知症は、脳の血管の障害が重要な原因となります。

ただし、実際には両方の変化が重なっていることもあります。症状だけで正確に区別することは難しい場合があります。

原因を決めつけず、医療機関で調べることが大切です。

年齢のせい、と考えてよいのでしょうか

年齢を重ねると、名前がすぐに出てこないなどの変化は誰にでも起こりえます。

一方、以前できていた家事や金銭管理が難しくなる、道に迷う、同じ失敗が増えるなど、暮らしに影響する変化は相談のきっかけになります。

「年だから仕方ない」と決めつけず、気になる変化が続くときは医師に相談しましょう。

どのような検査をするのでしょうか

医師は、いつからどんな変化があるのか、生活への影響、服薬状況や持病などを確認します。ご家族から話を聞くこともあります。

必要に応じて、記憶や注意力などを調べる検査、血液検査、MRIやCTなどの画像検査を行います。

認知機能の低下には、薬の影響、睡眠の問題、うつ状態、甲状腺の病気など、治療可能な原因が関係することもあります。

治療では、何を大切にするのでしょうか

治療では、血圧や糖尿病、脂質異常症などを適切に管理し、脳卒中の再発を防ぐことが重要です。

リハビリテーションや生活環境の工夫、必要に応じた介護・福祉サービスの利用も役立ちます。

血圧の薬や脳卒中予防の薬は、自己判断で中止しないでください。治療内容は病状や年齢などによって異なります。

毎日の暮らしでできること

家庭血圧を測って記録すること、禁煙、食塩のとりすぎを避けること、体調に合った運動などが血管の健康を守る取り組みになります。

人と会話する、無理のない範囲で外出する、十分な睡眠をとることも、暮らしの質を保つために大切です。

頑張りすぎず、できることを続けましょう。運動や血圧の目標は、持病や体調に合わせて主治医に確認してください。

ご家族は、どう支えたらよいのでしょうか

「どうしてできないの」と責めるより、困っていることを一緒に確かめ、必要な部分を手伝うことが大切です。

予定を大きな文字で書く、薬を整理する、作業を一つずつ伝えるなど、小さな工夫で生活しやすくなることがあります。

ご本人の気持ちや、できることを大切にしながら、地域包括支援センターなどにも相談できます。

突然の変化には、迷わず119番

突然、顔の片側がゆがむ、片方の手足に力が入らない、言葉が出ない・ろれつが回らない、急に見えなくなる、激しい頭痛が起こる場合は、脳卒中などの可能性があります。

このようなときは、認知症の症状だと決めつけず、すぐに119番へ連絡してください。症状がいったん治まっても、様子を見ずに救急対応が必要です。

ご自身で運転して病院へ向かわないでください。

大切な毎日を守るために

血圧の数字を知ることは、脳の健康を考える一つの出発点です。

認知機能の変化に早く気づき、適切な診察や支援につながることで、暮らしの困りごとを減らせる場合があります。

今日できる血圧管理と、気になる変化を相談すること。その積み重ねを大切にしていただきたいと思います。

安心して学んでいただくために

このページは、血管性認知症や認知機能の低下についての一般的な健康情報です。診断や治療に代わるものではありません。

気になる変化がある方、治療中の方は、自己判断せず医師などの医療専門職にご相談ください。

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