株式会社生薬工房|健康の基礎知識
狭心症・心筋梗塞の
基礎知識
「胸が苦しいけれど、少し休めば治るから大丈夫」。そう思っていませんか。心臓の病気には、早く気づくことが命を守ることにつながるものがあります。狭心症と心筋梗塞の違いを、一緒に学んでみましょう。
01|心臓にも、血液を届ける血管があります
心臓は、全身に血液を送り出すポンプです。その心臓自身も、動き続けるために酸素と栄養が必要です。
心臓の筋肉に血液を届ける血管を「冠動脈(かんどうみゃく)」といいます。この冠動脈が狭くなったり、詰まったりすると、心臓の筋肉が酸素不足になります。
02|狭心症とは、どんな病気でしょうか?
狭心症は、心臓の筋肉に必要な血液が一時的に足りなくなる病気です。胸が締めつけられる、押される、重苦しいといった症状が出ることがあります。
階段を上る、坂道を歩くなど、体を動かしたときに症状が現れ、休むと数分で落ち着くことがあります。これを「労作性狭心症」といいます。
ただし、安静にしているときに起こる狭心症もあります。以前より少ない動作で症状が出る、回数が増える、長引く場合は、心筋梗塞につながる危険があるため、急いで医療機関で評価を受ける必要があります。
03|心筋梗塞とは、何が違うのでしょうか?
心筋梗塞は、冠動脈の血流が急に途絶えるなどして、心臓の筋肉が傷つく病気です。血流が戻らない時間が長くなるほど、心臓へのダメージが大きくなります。
狭心症は一時的な血液不足、心筋梗塞は心臓の筋肉が傷つく状態。これが大きな違いです。
心筋梗塞は命に関わり、不整脈や心不全を起こすこともあります。早く治療を始めることがとても大切です。
04|胸の痛みだけが、症状ではありません
胸の中央が締めつけられる、圧迫される、重く感じる。そんな症状が代表的ですが、痛みや不快感が左腕、肩、背中、首、あご、みぞおちなどに広がることもあります。
冷や汗、吐き気、息苦しさ、急な強いだるさを伴う場合もあります。
高齢の方、女性、糖尿病のある方などでは、典型的な胸の痛みが目立たないことがあります。「胸が痛くないから心臓は大丈夫」とは言い切れません。
05|こんなときは、迷わず119番
突然の強い胸の痛みや圧迫感、冷や汗を伴う胸の不快感、急な息苦しさ、意識が遠のくような症状があるときは、119番に連絡してください。
症状が軽くなっても、心筋梗塞などの重大な病気を否定できません。自分で車を運転して病院へ向かわず、救急車を呼びましょう。
救急隊には「いつから」「どこが」「どんなふうに」苦しいか、飲んでいる薬や持病を伝えてください。救急車を待つ間は無理に動かず、楽な姿勢で安静にしてください。
06|高血圧は、どう関係するのでしょうか?
高い血圧が続くと、血管の壁に負担がかかり、動脈硬化が進みやすくなります。冠動脈が狭くなることにも関係します。
ただし、狭心症や心筋梗塞は高血圧だけで起こるものではありません。脂質異常症、糖尿病、喫煙、年齢、家族歴など、いくつもの要因が関係します。
血圧だけでなく、血糖値やコレステロールなども一緒に管理することが大切です。
07|病院では、どのような検査をするの?
症状や診察に加えて、心電図、血液検査、心臓超音波検査などを行います。心筋梗塞が疑われるときは、心臓の筋肉が傷ついたときに増える「トロポニン」などを血液で調べます。
必要に応じて、冠動脈CT検査やカテーテル検査などで血管の状態を確認します。
検査の種類は症状や緊急性によって異なります。心筋梗塞が疑われる症状があるときは、検査を予約するのではなく、すぐ救急対応を受けてください。
08|治療には、どのような方法がありますか?
薬で症状を抑えたり、血栓ができるのを防いだり、血圧や脂質を管理したりします。
血管が狭い、あるいは詰まっている場合には、カテーテルで血管を広げる治療や、別の血液の通り道を作るバイパス手術などが検討されます。
心筋梗塞では、一刻も早く血流を回復させる治療が重要です。治療方法は病状によって異なりますので、担当医と相談して決めます。
09|退院後も、再発を防ぐことが大切です
治療が終わっても、血管の病気への注意が必要なくなるわけではありません。処方された薬を自己判断でやめず、通院や検査を続けましょう。
禁煙、減塩、血圧・血糖・脂質の管理、十分な睡眠などが再発予防に役立ちます。運動は医師の指示に従い、心臓リハビリテーションなどを利用する方法もあります。
「調子がよいから薬をやめる」「急に運動量を増やす」といった自己判断は避けましょう。
10|毎日の暮らしで、できること
まずは家庭で血圧を測り、記録すること。健康診断の結果を確認し、気になる数字があれば医師に相談すること。
食事は塩分を控えめにし、無理な食事制限は避けましょう。高齢の方は、筋力や栄養を保つことも大切です。
胸の症状を我慢しないこと。そして、普段から血管をいたわること。その積み重ねが、これからの暮らしを守る力になります。
【安心して学んでいただくために】
このページは一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。胸の痛みや息苦しさなど、心筋梗塞を疑う症状がある場合は、ためらわず119番へ連絡してください。持病や治療については主治医にご相談ください。
参考情報:日本循環器学会/健康づくりサポートネット
作成日:2026年10月31日
