株式会社生薬工房|健康の基礎知識
01|脳卒中
脳卒中は、ある日突然起こることがあります。
「いつもと様子が違う」と気づいたとき、何をすればよいのでしょうか。ご自身と大切なご家族を守るために、一緒に確かめていきましょう。
01|脳卒中とは、どんな病気でしょうか
脳は、体を動かすこと、言葉を話すこと、物を見たり考えたりすることなど、私たちの暮らしを支えています。
その脳に血液が届かなくなったり、脳の血管が破れたりする病気を、まとめて「脳卒中」と呼びます。
脳の細胞は酸素や栄養が届かないと傷ついてしまいます。だからこそ、脳卒中では一刻も早い対応が大切なのです。
02|脳卒中には、三つの主な種類があります
脳梗塞(のうこうそく)
脳の血管が詰まり、その先に血液が届きにくくなる病気です。手足のまひや言葉の障害などが突然現れることがあります。
脳出血(のうしゅっけつ)
脳の中の血管が破れ、出血する病気です。出血によって脳が傷つき、まひや意識の障害などが起こることがあります。
くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)
脳の表面を覆う膜の内側に出血する病気です。突然の激しい頭痛で始まることがあり、命に関わる場合があります。
いずれも急いで治療が必要な病気です。症状だけで種類を決めつけることはできません。
03|こんな変化があったら、すぐ119番
脳卒中は、突然の変化として現れることがあります。次の症状を覚えておいてください。
脳卒中を疑う、大切なサイン
- 顔:笑おうとしても、顔の片側が下がる。
- 腕:両腕を上げると、片方だけ下がる。片側の手足に力が入らない。
- 言葉:ろれつが回らない。言葉が出ない。話が理解しにくい。
- その他:突然、片目が見えにくい、ふらついて歩けない、経験したことのない激しい頭痛が起こる。
一つでも突然起きたら、迷わず119番へ。症状が治まっても、救急車を呼んでください。
顔・腕・言葉の異常を確かめ、すぐ行動することは、脳卒中を早く見つけるための大切な手がかりです。
04|症状が消えたら、安心でしょうか
「さっきまで手が動かなかったけれど、もう治った」。そんな場合も、安心はできません。
脳への血流が一時的に悪くなり、短時間で症状が消える一過性脳虚血発作(TIA)という状態があります。脳梗塞の前触れとなる場合があるため、緊急の評価が必要です。
元に戻ったから明日まで待とう、とは考えないでください。突然のまひや言葉の異常が出たら、消えても119番に連絡しましょう。
05|救急車を待つ間に、できること
ご家族が脳卒中を疑う状態になったら、まず119番に連絡し、救急隊の指示に従ってください。
覚えておきたいこと
症状が始まった時刻、または最後に普段どおりだった時刻を確認しておきましょう。治療を考えるうえで重要な情報です。
無理に歩かせず、安全な姿勢で休ませてください。食べ物、飲み物、薬を自己判断で口に入れないでください。むせたり、飲み込めなかったりすることがあります。
ご本人が「大丈夫」と言っても、突然の異常があれば救急隊に相談してください。ご自身で車を運転して病院へ向かうことは避けましょう。
06|命が助かった後も、暮らしに影響することがあります
脳卒中は、治療によって命が助かっても、後遺症が残る場合があります。
たとえば、片方の手足が動かしにくい、言葉が出にくい、食べ物を飲み込みにくい、注意力や記憶力が低下する、といった変化です。
以前は一人でできていた着替えや食事、外出に、手助けが必要になることもあります。
ただし、後遺症の程度や回復の経過は人によって異なります。リハビリテーションや周囲の支えによって、できることを増やしていくことも大切です。
07|高血圧は、なぜ脳卒中と関係するのでしょうか
血圧が高い状態が続くと、血管の壁に負担がかかり、動脈硬化や血管の傷みにつながります。高血圧は、脳梗塞や脳出血の重要な危険因子です。
ただし、脳卒中は高血圧だけで起こるわけではありません。心房細動という不整脈、糖尿病、脂質異常症、喫煙なども関係します。
「血圧が高いけれど、どこも痛くない」からといって、放置しないこと。症状のないうちから血圧を確かめる意味は、ここにあります。
08|毎日の暮らしで、何ができるでしょうか
脳卒中の危険を減らすために、日々の生活でできることがあります。
家庭で血圧を測る。朝と晩など、決めた時間に測り、記録しておくと変化に気づきやすくなります。
塩分を取りすぎない。みそ汁の汁を少し残す、味つけを少し薄くするなど、無理のない工夫から始めましょう。
体調に合わせて動く。散歩や軽い運動は健康づくりに役立ちます。ただし、持病やふらつきがある方は、医師に相談してください。
薬や通院を続ける。血圧の薬や不整脈の薬などを、自己判断で中止しないでください。
高齢の方は、血圧を下げすぎることによるふらつきにも注意が必要です。治療目標は主治医と相談しましょう。
09|一度脳卒中になった方へ
脳卒中は、再び起こることがあります。再発を防ぐためには、原因に応じた治療と、血圧などの管理を続けることが大切です。
脳梗塞でも、原因によって必要な薬は異なります。ご自身の判断で薬を減らしたり、やめたりしないでください。
また、飲み込みにくさや転倒への不安など、暮らしの困りごとは医師、看護師、リハビリ専門職などに相談できます。
10|いちばんお伝えしたいこと
脳卒中は、誰にとっても他人事とは言い切れない病気です。
けれども、怖がるだけではなく、知っておくことでできることがあります。
突然の異変には、迷わず119番。
何も起きていない今こそ、血圧を測り、必要な治療を続ける。
今日知ったことが、ご自身と大切な方のこれからの暮らしを守るきっかけになれば幸いです。
安心して学んでいただくために
この記事は、脳卒中についての一般的な健康情報です。診断や治療の代わりになるものではありません。
突然のまひ、言葉の異常、激しい頭痛などがある場合は、通常の受診を待たず、119番へ連絡してください。
