株式会社生薬工房|健康の基礎知識
心不全の基礎知識
「年齢のせい」と思っていた息切れやむくみ。
心臓からの大切なサインかもしれません。
心不全とは、どのような病気でしょうか
心臓は、毎日休まず全身へ血液を送り出しています。血液は、体に必要な酸素や栄養を運ぶ大切な役割を担っています。
心不全とは、心臓の働きが悪くなり、息切れやむくみなどが起こって、次第に体の負担が大きくなる状態です。「心臓が止まること」そのものを指す言葉ではありません。
心臓から送り出す血液の量が不足したり、血液が心臓や肺に滞ったりすることで、さまざまな症状が現れます。
こんな変化はありませんか
以前は平気だった坂道や階段で、息が切れるようになった。
夕方になると足がむくみ、靴がきつく感じる。
横になると息苦しく、上半身を起こすと少し楽になる。
疲れやすく、家事や散歩が以前よりつらくなった。
こうした症状は心不全以外の病気でも起こります。ただし、「年齢のせい」と決めつけず、続く場合や悪化する場合は医療機関で相談することが大切です。
なぜ、息切れが起こるのでしょうか
心臓の働きが低下すると、肺の血管に血液が滞り、肺に水分がたまることがあります。すると、酸素を取り込みにくくなり、息切れや呼吸の苦しさにつながります。
はじめは運動したときだけでも、進行すると少し動くだけで息切れしたり、夜、横になると苦しくなったりする場合があります。
なぜ、足がむくむのでしょうか
心臓の働きが弱くなると、体の中に水分や塩分がたまりやすくなることがあります。その結果、足やすねがむくみ、短期間で体重が増えることがあります。
ただし、むくみの原因は心不全だけではありません。腎臓や静脈の病気、薬の影響などでも起こります。急な体重増加やむくみの悪化は、主治医に伝えましょう。
高血圧と心不全の関係
血圧が高い状態では、心臓は強い力で血液を送り出し続けなければなりません。長い年月、その負担が続くと、心臓の筋肉が厚くなったり、硬くなったりして、心不全につながることがあります。
心不全の原因には、高血圧のほか、心筋梗塞、心臓の弁の病気、不整脈、心筋症などもあります。高血圧の方が必ず心不全になるわけではありませんが、血圧を適切に管理することは大切です。
心不全は、どのように調べるのでしょうか
医療機関では、症状やこれまでの病気、服用中の薬などを確認します。
必要に応じて、血液検査(BNPやNT-proBNPなど)、心電図、胸部エックス線、心臓超音波検査(心エコー)などを組み合わせて調べます。
心エコーでは、心臓が血液を送り出す力だけでなく、心臓の動きや弁の状態なども確認します。検査の一つだけで決めつけず、医師が総合的に判断します。
どのような治療をするのでしょうか
治療は、心不全の原因や重症度、心臓の働き方、年齢や持病によって異なります。
体にたまった余分な水分を減らす薬(利尿薬)や、心臓への負担を減らし、経過を改善するための薬などが使われます。原因となる不整脈や弁の病気などに対して、処置や手術が必要になる場合もあります。
薬を自己判断で減らしたり、やめたりしないことが大切です。体調の変化や薬の副作用が気になるときは、主治医や薬剤師に相談しましょう。
毎日の暮らしで気をつけたいこと
心不全と診断された方は、医師から指示された範囲で、毎日の体重や血圧、息切れ、むくみなどを記録すると、変化に気づきやすくなります。
塩分や水分の取り方、運動量は、一人ひとりの状態によって適切な範囲が異なります。水分を極端に控えたり、無理に運動したりせず、主治医の指示に従いましょう。
風邪などの感染症、飲み忘れ、塩分の取りすぎなどが、心不全を悪化させるきっかけになることもあります。
こんなときは、すぐに助けを求めてください
安静にしていても強い息苦しさがある、突然呼吸が苦しくなった、意識が遠のく、強い胸の痛みがある場合は、119番に連絡してください。
急激に悪化している可能性があります。ご自身で運転して病院へ向かわず、救急車を利用してください。
一方、数日で体重が急に増えた、むくみや息切れが増した、夜間の息苦しさが出てきたときは、放置せず、早めに主治医や医療機関へ相談しましょう。
心臓を守るために、今できること
心不全を防ぐうえでは、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの管理、禁煙、適切な運動や食事、必要な治療の継続が大切です。
年齢を重ねると、体の変化を「いつものこと」と思いがちです。けれども、昨日までできていたことが、最近つらくなっていないか。その小さな変化に目を向けることが、心臓を守る第一歩になるかもしれません。
ご自身だけでなく、ご家族の息切れやむくみの変化にも、どうぞ目を向けてください。
安心して学んでいただくために
このページは、心不全についての一般的な健康情報です。診断や治療に代わるものではありません。
症状が気になる方や治療中の方は、自己判断せず、医師などの医療専門職にご相談ください。
